これまでセミナーや人材育成支援をしてきました。
 その中で、参加者の皆さんに対し「マーケティング」とは何か?と聞きますと、商品PRすること、営業すること等、様々な答えが返ってきます。

 では、なぜ、統一した答えが返ってこないと思われますか?

 私が商品開発コンサルタントとして、ものづくり企業の支援を開始するにあたり、あやふやな回答することになったり、今ある自分のイメージを基準に支援を進めると、支援をさせて頂く企業に対して不利益になることもあると考え、いろいろと調べてみました。

 その結果、
「マーケティング」というキーワードに対し、学者や、専門家、マーケティング関連の組織等がそれぞれ独自の定義していることが判りました。
 また、自社のサービスを販売するに当たり、
WEBマーケティング、SNSマーケティング、●●マーケティング等と言葉が多用されています。


 このため、「マーケティング」は、統一的な意味として理解されず、商品のPRだとか、商品の営業だと思われている方が多いのではないかと思います。


 そこで、
様々な解釈(定義)がある中で、多数派の定義とその他の定義の共通点を纏めてみたところ、以下のようになりました。

 「マーケティング」とは、

  商品を作り出し、

  その商品の存在や特徴の情報を顧客に知らせ、

  その商品が市場で売れる仕組みづくり(活動)をすること。


 言い換えれば、

 「マーケティング」とは、

  どのような製品(商品)を作り、

   誰に、その製品(商品)をどのように売るか

              を決めて活動をすること。」と言えます。

 これを図にしますと、↓のようになります。

マーケティング

  研究を重ねられてきた研究者・学者の先生方等にはお叱りを受けるかもしれませんが、このような検討結果から、私は、もっと簡素化した定義として、
 マーケティングとは、
 「企画ステップでの検討結果を商品を販売する販売ステップまで継続的に行うこと」と考えています。
 
 このことから判るように、マーケティングの最上流には企画ステップがあり、その企画ステップの結果が以後(技術開発・商品化・販売)の方向性を決定づけるため、企画ステップでの検討の重要性をお判りいただけるのではないでしょうか。なお、
「WEBマーケティング」等の専門企業がたくさんありますが、この「WEBマーケティング」等というサービスは、マーケティングの一部であるにすぎず、企画ステップで検討しておくべき一つと位置付けられるものと考えています。

 上記の流れで進めるマーケティング活動は、組織の大小に関係なく、意識的であっても無意識的であっても実行されていると思います。
 しかし、企画ステップでの検討が十分でないことが多いように思います。また、縦割り組織の弊害により、企画ステップでの検討結果が下流側に反映されないことがあったり、企画ステップでの検討結果を無視して異なる方向性に変えられてしまうこともあるように思います。
 企画ステップでの検討は、ビジネスの成功のカギを握るといっても過言ではありません。
 企画ステップで検討すべき事項を検討しているか、その検討は十分にしているかを確認し、また、最初に検討した結果が販売時にまで繁栄されているを確認されてはいかがでしょうか。

 最後になってしまいましたが、マーケティングの定義には、「商品をどのように売るか」とあります。
 一般的に、店頭で売る、ネット販売で売る等と、販売チャネルを想起してしまうと思いますが、「独占的に売る」、「協力者と市場を拡大しながら売る」等ということも視野にいれておきべきです。
 この「独占的に売る」、
「協力者と市場を拡大しながら売る」等ということについては、材料供給ルート等の関係でも実現できることもあるかもしれませんが、やはり「知的財産」の活用が筆頭となるように思います。

 従いまして、知的財産の活用、知的財産権の取得、ライセンス供与等は、ものづくり企業におけるマーケティングを実行する上での一要素と言え、企画ステップの検討事項の一つと考えてみてはどうでしょうか。

 一度、自社のマーケティング活動はどうなっているのか、確認されてみてはいかがでしょうか。


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