新商品を企画・開発するとき、顧客の声を聴いてニーズを捉えることが重要と言われています。
 商品開発や商品企画を担当されている方であれば、当然、理解されていることでしょう。
 また、マーケティングに精通されている方であれば、
 ニーズには、必要レベルのニーズ(真のニーズ)と、欲求レベルのニーズ(ウォンツ)の二種類あることもご存じだと思います。

 では、なぜ、メーカーがニーズを捉えた新商品を作り続けているのに、新たなニーズが生まれ続けるのでしょうか?

 時代の変化やトレンドの変化によって、新たなニーズが生まれることは判ります。


 しかし、それ以外のケースで新たなニーズが生まれていることもあります。

 判り易い例として、一般消費者を対象としていないBtoB商品があります。
 産業機械や製造設備(機械)などは、処理量や生産量、製品の品質等が満足できれば、目的は達成されていることになり、ニーズを満足していることになるはずです。
 しかし、このような分野の商品を製造販売するメーカーでも、ユーザーニーズを捉えてと言い、新商品(改良、バージョンアップ)の開発をされています。

 それだけを見れば、市場(顧客)にとっては、要望を満たしてくれる非常に良いことのように見えます。

 しかし、そのニーズは、顧客サイドの単なる意見ということでしょうか。
 学問的なマーケティングとして考えれば、そのようになりますが、メーカー側のアウトプットが起因していることが多いように思います。

 簡単に言えば、現状のニーズを満足させた新商品に対して後からニーズが生まれる(顧客の要望の声がでる)のは、その新商品に技術的な課題があり、その課題を解決しないままに新商品として販売していることがあるからだと感じています。

 なぜ、そのように感じるのかといいますと、特許事務所時代多くのメーカーとお付き合いし、担当して企業(メーカー)の新商品開発全体の変遷や商品のバージョンアップの変遷を見てきました。

 メーカーの担当者は、ニーズという言葉を使って説明されますが、私から見れば、技術的な課題に見えます。そうです、新たな機能等を加えてバージョンアップしたときに、新たな技術的な課題が生まれているのですが、それに目を向けずに新商品とされていることが多かったからです。

 そのような新商品を販売すると、本来であれば技術的な課題として捉えていれば聞こえてくるはずのない声、すなわち、市場(顧客)から「〇〇になればいいのに。」「〇〇だったらよかったのに。」という声が聞こえ、それがニーズだとして、改良開発を進められることがあります。
 特許事務所には、改良開発の結果としての新商品に関連する発明の権利化の依頼に来られるというサイクルを繰り返している企業が殆どといっても過言ではありません。もちろん、全くの新規開発の関係で来られる企業もありますが。


 このように、市場(顧客)から「〇〇になればいいのに。」「〇〇だったらよかったのに。」という声をニーズだとして、改良開発をするメーカーが非常に多いように思います。
 そのためか、多くのメーカーから同じような商品が販売されます。
 その結果、競争が激化すれば、一社が市場のニーズを満足させたとして新たな機能や性能アップした新商品を製造販売を行い、他社が追従するような構造になっているように思います。


 時代の変化やトレンドの変化によって、新たなニーズが生まれるが生まれることは別として、ニーズは、メーカー側が作り出しているという意識をもち、機能の追加や性能アップを図った改良的な新商品を開発する場合には、目の前のニーズ(既存商品の技術的な課題)を満足した上で、そのニーズ(既存商品の技術的な課題)を満足することによって生まれる新たなニーズとなりえる技術的な課題を見つることを意識されてはどうでしょうか。
 このようにニーズを満足させるために生まれるニーズを満足させた新商品を作ることができれば、頭一つ出た商品を開発できるように思います。
 
 また、顧客の声が「〇〇になればいいのに。」「〇〇だったらよかったのに。」というレベルではニーズですが、顧客の声が「〇〇になっていないのか!」「〇〇できないのか!」というレベルになると、ニーズではなくクレームになってしまうため、この新たに生まれるニーズ(技術的な課題)に目を向けた開発が必要ではないかと思います。

 もちろん、全ての技術的な課題(ニーズ)を見つけ出すことは不可能かもしれませんが、もう一歩踏み込んでおけば判ったはず、というケースが非常に多いように感じます。
 

 みなさんの商品企画開発ではどうでしょうか?
 改良(バージョンアップ)等が頻繁にあるなぁ~と思われる方は、表面的なニーズだけを捉えていないか、新たな技術的な課題を見落としていないかをチェックされてはいかがでしょうか。


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