新規事業や新商品を企画する上で、自社分析を行うことがあり、この自社分析を行う際、SWOT分析等のフレームワークを活用されているケースが多いのではないでしょうか。
SWOT分析やクロスSWOT分析等では、自社の強みや弱みを洗い出す作業があります。
私が前職で中堅メーカーの新規事業の立ち上げを支援させて頂いたときの話です。
このときも、SWOT分析やクロスSWOT分析等のフレームワークを用い、
自社の強みや弱みを洗い出す作業を行いました。
このとき、組織的な強みや弱み、設備的な強みや弱み、ノウハウ的な強み弱み等、多くの強みや弱みが列挙されました。
一見、的を得た項目が列挙されているのですが、何かしっくりしない項目が混ざっていました。
それは、自社の強みとして挙げられた事項が、個(社員)の力が大きく影響している事項、すなわち、その個(社員)が企業から去ってしまうと、強味としていたことがなくなり、他社と同列、或いは弱みになるという事項です。
ここでのケースは、公にできませんが、イメージしやすいように例示しますと、
自社にとってノウハウとも言える事項が個の知識や知見に依存している場合や、自社にとっての自慢の加工技術が経験豊富な熟練技術者の機能に依存している場合です。
外部から見れば、その企業にはノウハウや技能があるように見え、企業の強みとも言えるようにも思えますが、それは、個の力にすぎません。
そうしますと、熟練技術者や熟練技能者が定年を迎えたり、突如退職することになると、その企業の強みは一瞬にしてなくなります。

新規事業や新商品を企画する際、特に長期的な市場を見ている場合には、その強味がなくなることで、中期的な計画、長期的な計画がスムーズに遂行できなくなったり、失敗に終わることもあり得ます。

このようなことにならないためにも、自社の強みが個の力に依存しないように、企業としては、技術やノウハウの伝承を行う必要を認識し、人材の育成を見直したり、
新規事業や新商品の企画だけでなく、経営企画をする上で、個の力に依存することのない自社の本当の強みと弱みを抽出しなければならないと思います。

なんだ、そんなことかと思われる方も居られるかもしれませんが、私が支援させて頂いた中堅メーカーの案件で実際にあった話です。その案件においては、事業のキモと言ってもよい技術が技術者(個)の依存率が非常に高いことが判り、方向を見直すことができたため、事なきを得ましたが、それを見過ごしていると、将来的にどのようになっていたかわかりません。

特に、人材に限りにある中小メーカーにおいて、長期的な市場を視野に入れた新規事業や新商品を企画する際に、SWOT分析等を活用する場合には、注意されてはいかがでしょうか。

今回は、強味や弱みが個の力に依存していることがあることにターゲットに書きましたが、このような見落としの原因の他にも、ルール通りにやっても分析が上手くできないと言われる原因として、取り扱っている情報が定性的な情報であることが起因しています。また、機会を見て定性的な情報の取扱いについてアップしようと思います。

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