これまで、ものづくり企業の経営者や管理職の方々に対し、現場での状況を知って頂きたい、現実の問題に気づいて頂きたいという思いで、ブログを更新してきました。
しかし、なかなか思いは届かないものですね…
先日の投稿で、そろそろタイムリミットと書きましたが、そろそろどころではなく、就職活動も始めています。

そのような状況ではありますが、私が開業までしてやりたかったことは何だったのか?
と振り返ってみました。

大前提としては、
「ヒト・モノ・カネといった経営資源に限りがある中小メーカーに対して僅かながらでも力になりたい!」という思いがあり、これにはブレはありません。
あわよくば、
「中小メーカーが大企業・大手企業に互角以上で戦え、ジャイアントキリングできれば!」と大それた考えも…

この思いは、特許事務所時代に、私の担当する中小メーカーが大企業を蹴散らし、一人勝ちしたケースを体験したことが大きく影響しています。このような体験は珍しく、長年知財業界にいても体験したことがないと言われる方も少なくありません。
このケースは、メーカーの技術者との連携を密にとり、決して教科書通りの対応ではなく、商品と知財とがリンクしたこと、技術や生産と知財をリンクさせたこと、マーケティングに知財を考慮したこと等が勝因となりました。
詳しくは、メーカーの技術者の知恵・知識の他、優れた発想力があったことが大前提となりますが、私のメーカー時代に商品づくり(企画・開発・マーケティング)の経験と、特許事務所での実践に基づく権利づくりの経験を活かし、技術者とのコミュニケーション・調整等を行って得られた結果です。
この点、メーカーの技術者と祝杯を挙げたとき、何れが欠けても一人勝ちは無かったと共に歓びを共有したことを覚えています。

このようなこともあり、上記のようなケースが多くなれば、中小メーカーでも市場で優位になると思っていました。
しかし、現実はそう簡単にはいきません。
それは、知財業界が知財ありきで事を進める傾向が強いからです。
すなわち、知財業界は、商品づくりがあってこその知財という意識が低く、知財が独り歩きする傾向が強く、上記のようなケースになりにくいということです。

そのようなこともあり、勤務していた特許事務所を傘下におく管理会社にコンサルティング部を設立して貰い、私が目指していたこと(中小メーカーの商品づくりと権利づくりの支援を行う)コンサルティングを行うことになりました。
しかし、権利づくりを強調すると、特許事務所との関係で業務内容に誤解を招くということになるという理由から、「商品開発」を前面に押し出したコンサルティングすることに…
いざ、営業は始めると、コンサルティングという業種のイメージが悪く、思いを伝える前に、
「高いお金を取るくせに」「責任を取らない都合の良い仕事」等々、新規営業では全く相手にされませんでした。
古くからお付き合いのある企業には、コンサルティングを受けたいとって頂いた企業もありましたが、結局は、特許事務所時代と同じ立ち位置としか見ていないことが多く、発明相談ばかりといったことも…

やはり、知財業界に片足を踏み入れた状態ではダメだという思いが強まり、外に出よう(独立開業しよう)と決意しました。

サービスの名前をどうしようか?と考えていたとき、
「コンサル」はイメージが悪いと思い、これを使わないようということで、
「商品づくり支援」としました。
良かれと思って付けたサービス名ですが、なかなか伝わりません。


そのような中、中小メーカーの社長さんとお話する機会があり、「商品づくり支援」の目的や思いで口頭で説明すると、中小メーカーの社長さんから「需要はあるよ!」「まずは、うちの仕事を手伝ってくれないか?」というお声がを頂くことがありました。
しかし、もうタイムリミット…
社長さんに正直に言いました。
「タイムリミットなので、就活を始めています…。お引き受けしたいところですが、中途半端になるとご迷惑なので…」と。

この社長さんとの会話がきっかけで、「私が開業までしてやりたかったことは何だったのか?」と考えることになりました。

先の社長さんや知人友人から、君の強みは、「ものづくりの経験」と「知財の経験」があり、特に、人の体験していない体験が多いのに、なぜ、「知財」を前面に押し出さないのか?と言われていました。

これは、特許事務所(弁理士)の業務と切り離す必要がある(誤認を招かないようにする)ことが必要というのは建前で、本心とすれば、知財業界を知りすぎたせいか、知財業界のことの進め方等に強い不快感を持っていたこともあり、知財を前面には出さないというコダワリでしかありませんでした。


しかし、社長との会話をしているうちに、私がしたかったこととは、知財部門や専任の知財担当者がいない中小企業を対象に、成果としての商品・サービスと権利を自社のビジネスに貢献するものに導くべく、知財をマーケティングに取り込むこと(商品づくりと権利づくりのコーディネーター)、それを実現するための仕組みづくり、そのような思考のできる人材づくり等だったと認識しました。
すなわち、理想的とされる知財部門の活動を、知財部門或いは選任の知財担当者の存在しない中小企業に対して支援という形で行いたいということだったのではないかということだったように思います。
企業の知財部門の活動は、企業によって様々ですが、多くの企業において、組織的な弊害等もあり、会社規模に関係なく権利化業務が中心となり、理想的な活動(成果に繋がる活動)ができていないケースが多いと思っています。
従って、この組織的な弊害(例えば、大組織の弊害、縦割り組織の弊害等)が少ない中小メーカーだからこそできることがあり、これを実現できれば、みんなが笑顔になれるはずだったと今更ながら自分の思いを認識した次第です。

自分の価値観・コダワリを通したことで、思いが伝わりにくくなり、道半ばで断念を余儀なくされる状況になりましたが、私の思いには変わりはありませんので、タイムアップぎりぎりまで情報発信できればと思っていますので、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村