コモディティ化とは、メーカー毎の商品の個性がなくなり、消費者がどの商品を選択しても大差のない状態をいいます。

そのため、市場に出回る商品のコモディティ化は、価格競争等に追い込まれる要因とも言われています。

では、このコモディティ化を回避するにはどのようにすればよいのか?

例えば、ウキペディアを見てみると、
コモディティ化を回避するための経営戦略として、
付加価値の付与による多機能化等の差別化戦略…とあります。
さらに、ブランドイメージ戦略を強化しても各メーカーが行うと横並びすることになり、
差別化戦略にも限界があるとあります。
そして、この状況を受け入れ、市場のシェアを取るコモディティ化戦略という方策もあるとしています。

これだけ見れば、「なるほど!」と思えかもしれません。

しかし、
シェアを奪うためには、マンパワーや広告宣伝費等の経営資源の投入が必要となり、中小メーカーが、現実的にシャアを争奪するコモディティ化戦略を実行することが難しいように思います。

そうすると、やはり中小メーカーは、商品の差別化、すなわち、コモディティ化の回避を目指すべきではないでしょうか。

ウキペディアにある上記の記載を見ると、付加価値の付与→多機能化等とありますが、
このような考え方をすると、差別化に限界があるという結論になると思ってしまいます。

付加価値の付与は、多機能化ではなく、ユーザーの求めている機能があれば実現できます。
このユーザーの求めている機能は、以前の投稿にも書きましたが、現在ある技術・商品に対する不満を解決する機能(技術的な課題を解決する機能)であり、必ずしも多機能化にする必要はありません。
特に、ユーザーが現状では気づいていない不満(潜在的な技術的な問題)を発見し、この問題を解決する機能を発明する(商品に組み込む)ととも、潜在化した問題を顕在化させれば、その商品の付加価値は大幅にUPすることも少なくありません。

しかし、多くのメーカーにおいて、潜在的な技術的問題を突き詰めようとすることが少なく、顕在化した問題を解決するために、足し算的な改良(多機能化)で商品開発を進めていることが少なくありません。
これでは、ウキペディアにもあるように、差別化に限界があるということになってしまいます。

では、どのようにすれば、潜在的な技術的問題を発見することができるのか?
また、これを発見できても解決策をどのように見つければいいのか?
ということになります。

基本的には、現状分析~問題発見の手法として用いられる、
ロジカルシンキング(論理的思考)を身に着けることで、多くの場合が解決できます。

なんだ、そんなことか、
と思われる方や、
そんなこと、いつもやっているよ!と思われる方が多いのではないでしょうか。

しかし、本人はやっていると思っているようでも、
できていないことが多く、
結果的に潜在的なところにまで行きついていないことが多いのが現状です。

なぜ、そのようなことが言えるのかというと、
特許事務所で勤務していた頃、
研究者や技術者から技術的な課題やその解決手段についての説明を受けますが、
その説明が論理破綻していたり、打ち合わせで突き詰めていくと本当の課題が発見されたりすることが多かったからです。これは、企業の規模には関係なく言えることです。

このような現状を見れば、中小メーカーであっても、商品の企画開発者のロジカルシンキング力(論理思考力)を強化すれば、競合相手を出し抜くことも夢ではありません。


以前の投稿で、
良いアイデアは、豊富な経験から得られた知識や知見から生まれるといいましたが、
ここでも、
ロジカルシンキング(論理的思考)が必要になります。

中小メーカーが、コモディティ化を回避するためにも、ロジカルシンキング力(論理的思考力)のある企画・開発者の人材育成に力を入れることも必要です。
また、コモディティ化を回避できた商品は、高付加価値化し、自社にとっては高利益率に繋がる宝とも言えるものになるため、この商品を十分に保護できる知財化能力も必要となります。この知財化能力も結局のところ、
ロジカルシンキング力(論理的思考力)が必要です。
従いまして、中小メーカーでは、総合的にロジカルシンキング力(論理的思考力)のある人材育成を目指すことが将来に繋がるのではないでしょうか。



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