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経営 / 商品づくり

以前、


という投稿をしました。

この投稿では、戦略立案で満足し、戦略あって戦術なしの状況になっていたり、戦略と戦術とが乖離している状況になっているケースが多いということ書いています。

このように「戦略」中心の状況になる一つの原因として、戦略について語られるケースが多いからではないでしょうか。
例えば、本屋にいってビジネス本コーナーにいってみると、「〇〇戦略」というタイトルのビジネス本を見かけます。
また、ネット(例えば、YouTube)の情報を見ても「〇〇戦略」というタイトルを見かけます。

これに対し、「戦術」についてはどうかというと、具体的な戦術立案の方法や、具体的に戦略から戦術に落とし込む方法について語られたものは、殆どないといっても過言ではない状況です。

では、なぜ「戦術」のベースとなる「戦略」を語りつつも、「戦術」について語る人が少ないのでしょうか。

それは、戦略は、大きな概念(戦術の上位概念)であるのに対し、「戦術」は、戦略の下位概念であり、
「戦略」と「戦術」との関係が、1:1ではなく、1:多になるからです。

例えば、マーケティング戦略の場合、戦術としては、商品開発、販売対策、コスト対策等があります。
この場合、全体を見れば、1:多の関係のように見えますが、
商品、販売、コスト等をそれぞれを一つのカテゴリとしてみれば、戦略:戦術(カテゴリ)は、1:1の関係です。

しかし、この商品、販売、コスト等のカテゴリのそれぞれには、1案だけでなく、異なる条件(前提条件)を踏まえた複数の案が出てきます。すなわち、1つのカテゴリは、複数の戦術を含みます。

例えば、上位概念のマーケティング戦略に対し、下位概念の戦術の一つである商品(商品開発)には、「前提条件」の異なる複数のパターンが生まれます。

この「前提条件」は、業界や現場の状況等であり、一括りにできない条件です。

ようは、業界を知り、現場を知る実践者でなければ、想定できないか条件とも言えます。

上述のように、戦略は広い概念であるため、戦術への落とし込みを実践したことのない人でも大まかなことは語れます。
しかし、戦術(戦術への落とし込み)は、業界等が異なれば、その方策も変わるもので、一律に語ることはできません。
そのためかどうかは判りませんが、大手コンサルファーム(戦略コンサルタント)は、戦略立案を提案とするものの、戦術への落とし込みは企業側に任せることが多いように思います。

では、戦術に落とし込む実践者は、業界を知る自社に属している社員でなければいけないのかというと、そうではありません。「業界を知る」というのは、その企業の属する業界だけを知るという意味ではありません。

上述のように、戦術に落とし込む場合、複数のパターンが生まれ、その中から最適なものをチョイスします。
従って、自社の属する業界だけを知る実践者では、その業界に囚われ、生まれるパターンが限られてしまうこともあります。最悪の場合、最善のパターン(案)よりも劣る1つのパターン(案)を決め打ちして最適解としてしまうこともあり得ます。

このような状況を回避するためには、戦術への落とし込みを行う実践者は、多くの「引き出し」(情報)を持つことが必要です。もちろん、「引き出し(情報)」として、学術的な知識(情報)も必要ですが、戦術への落とし込みは、それぞれ状況が異なり、現実の条件(現場レベルの情報)が必要となるため、豊富な実践経験で得られた知識や知見(生の情報)が必要です。

特に、新規事業や新商品の企画開発においては、戦術レベルに落とし込む場合、自社技術や自社の業界に囚われていると、上述のような決め打ちしたパターンを最適解としてしまうことがあります。
従って、新規事業や新商品の企画開発においては、戦術レベルに落とし込む場合、実践者は、視野を広げ、自社技術以外の技術や自社の業界以外の業界の情報を持つ必要があり、また、そのように心がける必要があります。

とはいっても、なかなか自社でそのような人材はいない、或いは、人材を育てる余裕がないと言われる経営者も居られるかもしれません。そのような場合には、多岐にわたる業界や技術の知識や知見を有し、且つ豊富な実践経験をもつ外部の人材の活用も視野に入れてはいかがでしょうか。

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